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フレンチブルドッグが暑さに弱いことは、よく知られています。では、寒さはどうでしょうか。鼻が短くて体温調節が苦手という体のつくりは、冬にも同じように効いてきます。この記事では、我が家が冬にしていることと、実際に使ってみたグッズの正直な実感を書きます。夏の記事と同じで、全部が同じように効いたわけではありません。
この記事は運営者の実体験です。運営者は獣医師ではありません。適切な対策は住環境や個体によって異なります。体調で気になることがあれば、かかりつけの動物病院にご相談ください。
夏は「何度から」、冬は「自分が寒いと感じたら」
夏の記事では、気温18度を目安にしていると書きました。月ではなく気温で判断する、という話です。
ところが冬は、正直なところ気温をあまり見ていません。かわりに使っているのが、自分の体感です。
アウターだけでは足りず、マフラーと手袋が必要だと感じる日。そういう日は、犬にもしっかり対策をしています。
いい加減なようですが、冬はこれで足りると思っています。理由は、夏と冬で危険の出かたが違うからです。
夏は、人が涼しいと感じていても犬の体温は上がっていきます。地面に近い場所は温度が高く、パンティングだけでは追いつかない。人の感覚と犬の状態がずれるので、数字で見る必要がありました。
冬はそこまでずれません。同じ部屋、同じ道を、同じ空気の中で過ごしています。人が「今日は冷えるな」と思う日は、犬にとっても冷えています。だから自分の体感がそのまま目安になります。
ひとつだけ違うのは、犬のほうが地面に近いということ。冷たい空気は下にたまるので、人が感じているより足元は冷えています。迷ったときは、少し多めに対策するくらいでちょうどいいと思っています。
冬に気をつけたいのは、寒さだけではありません
乾燥
暖房を使う季節は、部屋の空気がかなり乾きます。皮膚がかゆくなったり、鼻がカサついたり、呼吸が苦しそうになったりと、乾燥が関わる不調はいくつもあります。
我が家は今シーズンから加湿器を新しくしました。まだ使い始めたばかりなので効果を語れる段階ではありませんが、暖房と加湿はセットで考えたほうがいい、というのが今の実感です。
加湿器がなくても、濡れタオルを室内に干す、洗濯物を部屋干しにするといった方法はあります。まずは「暖房を入れたら乾く」ということを意識するところからだと思います。
低温やけど
暖房グッズを使うなら、これは知っておいてください。
低温やけどは、それほど熱くないものに長時間触れ続けることで起こります。製品評価技術基盤機構(NITE)が示している目安では、50℃で2〜3分、47℃で45分ほど、46℃で30分〜1時間ほど、45℃で1〜3時間、44℃で3〜4時間以上が発症の目安とされています。
怖いのは、熱くないから気づけないことです。通常のやけどは軽いものから重いものまで段階がありますが、低温やけどはほとんどが最も深い段階まで進むとされています。表面は少し赤いだけに見えて、皮膚の奥が壊死していることがあります。
犬の場合は、さらに条件が悪くなります。被毛があるので皮膚の状態が見えません。気持ちよく眠っていれば、そこから動きません。「熱い」と言葉で伝えることもできません。
だから、暖房グッズを使うときに守りたいのは次の2つです。
- 逃げられる場所を必ず作る。温かい場所と、そうでない場所の両方を用意して、犬が自分で選べるようにする
- 直接触れさせない。カバーやクッションを1枚はさむ。とくに寝入ったまま動かない子は要注意
室内の防寒
ここからが、実際に使っているグッズです。まず室内から。
①ペット用ホットカーペット
②ホットパック
③毛布
①は室内、②と③はバギーの中で使っています。
① ホットカーペット:床暖が好きな子には
買ったきっかけは、うちの子が床暖房を好きなことでした。冬になると、クッションよりも床暖のフローリングの上で寝ていることが多いんです。ポカポカする場所が好きなんだろうな、と。
ただ、お昼寝をする部屋のひとつに床暖がありません。そこでも温かくしてあげたくて、その部屋に置いてある犬用ソファの下に敷いて使っています。
ソファ越しに、ほんのり温かさが伝わる程度です。気持ちよさそうに寝ていますが、正直に書くと、うちの子はいつも気持ちよさそうに寝ているので、これが効いているのかは断定できません。
ひとつ結果的によかったのが、この置き方です。ソファをはさんでいるので、犬の体が直接カーペットに触れません。低温やけどを意識してそうしたわけではなく、置き場所の都合でこうなったのですが、いま考えると安全な使い方でした。
ホットカーペットを買うなら、上に何か1枚のせることをおすすめします。温度が下がってしまうのでは、と思うかもしれませんが、じんわり伝わるくらいでちょうどいいです。
② ホットパック:バギーの中の空気を温める
お出かけのとき、バギーの中が少しでも温まったらいいなと思って買いました。湯たんぽタイプで、電気は使いません。
サイズは小さめなので、下に敷くようなものではありません。犬がバギーに座っているとき、空いているスペースにぽんと置いています。体に直接触れることは、ほとんどない状態です。
温めるというより、バギーの中の空気を温めるイメージです。実際に温まっているかは、正直なところ分かりません。劇的な効果を感じたことはなく、ないよりはあったほうがいい、という位置づけです。
ただ、この置き方は結果として安全でもあります。湯たんぽは低温やけどの原因になりやすい製品で、カバーをしていても表面が45度前後を長時間保つことがあります。体の下に敷いて長く乗せる使い方は、条件としては危ないほうに寄ります。触れない場所に置くくらいで、ちょうどいいと思っています。
③ 毛布:冬はこれに替える
バギーの底に敷くものを、季節で替えています。夏はひんやりするもの、冬は毛布。バギー全体に敷いて、その上に犬が乗る形です。
これも、敷いたから劇的に何かが変わるというものではありません。ただ、冷たい生地の上に直接乗せるよりはいいだろう、と思って続けています。
夏の記事で、バギーをひんやりグッズで固めるという話を書きました。冬はその逆をしている、と考えてもらえれば分かりやすいと思います。
外出時の防寒
ここからは、着せるものです。室内のグッズと違って、こちらは効果がはっきり分かるものがあります。
服:これは効いています
裏起毛のパーカー。散歩のときに着せています。
冬は、服を着せないと寒くて歩かない日があります。着せると歩く。この差がはっきり出るので、効果があるのは間違いないと思っています。
寒いと震える子もいますが、うちの子は滅多に震えません。だから震えを目安にはできず、「歩くかどうか」で判断しています。
同じように、寒さのサインが分かりにくい子もいると思います。震えないから平気、とは限りません。散歩のときに立ち止まる、帰りたがる、歩くペースが落ちる。そういう変化も寒さのサインとして見ています。
スヌード:風の当たる面積を減らす
首まわりに巻くタイプ。散歩やお出かけのときに使っています。
人間と同じ感覚で買いました。首元が開いていると、そこから冷えます。少しでも風が直接当たる面積を減らしてあげたい、と思って使い始めました。
服と同じで、着けているからといって何か変わった様子を見せるわけではありません。いつも通り過ごしています。それはそれで、嫌がっていないということなので、いいことだと思っています。
選ぶときは、首まわりのサイズを測ってからのほうが確実です。ゆるいとずれますし、きついと嫌がります。
ポンチョ:歩かないときのため
バギーで移動するときだけ着せています。歩くときには使いません。
ポンチョは、散歩で歩くときには着せていません。着せているのは、バギーに乗せて移動するときです。
これには理由があります。歩いていれば体は自然に温まりますが、バギーに乗っているあいだは運動していません。動いていないぶん、寒さがこたえます。しかも移動中は風を受け続けます。
ポンチョを着せると、冷たい風をかなり凌げます。ここは効果を感じている部分です。
夏の記事で「歩きたい気持ち」と「体温を上げすぎない」を両立させるためにバギーを使う、と書きました。冬は逆で、バギーに乗せているあいだこそ防寒が要る、ということになります。
正直に言うと、劇的に効くものはありません
ここまで書いてきて、気づかれたと思います。「これを買えば冬が変わる」というものは、ひとつもありませんでした。
| グッズ | 実感 |
|---|---|
| 服 | ◎ 着せないと歩かない日がある |
| ポンチョ | ◎ バギー移動の風を凌げる |
| ホットカーペット | ○ 温かそうにしているが、断定はできない |
| スヌード | ○ 変化は分かりにくいが、嫌がらず着けている |
| ホットパック | △ ないよりはいい、という程度 |
| 毛布 | △ 冷たい生地の上に直接乗せるよりは、という程度 |
夏のグッズも同じでした。冷感マットやクールリボンは、単体で劇的に効くものではなく、組み合わせて少しずつ体温を下げるものだと書きました。
冬も構造は同じだと思っています。寒さを感じるスペースを、ひとつずつ減らしていく。首元、体、足元、乗り物の中。それぞれを少しずつ埋めていった結果として、冬を越せる状態になる。ひとつの決定打を探すより、そう考えたほうが現実に合っています。
これから揃えるなら、この順番
全部いっぺんに揃える必要はありません。効果がはっきりしているものから順に並べます。
- 服(散歩に行けるかどうかが変わる)
- ポンチョかスヌード(バギーを使うならポンチョ、歩くのが中心ならスヌード)
- ホットカーペット(床暖のない部屋で長く過ごすなら)
- ホットパック・毛布(お出かけが多いなら足していく)
1だけでも、冬の過ごしやすさはかなり変わります。逆に、室内でずっとエアコンをつけていて、お出かけもしないという暮らし方なら、3と4は要らないかもしれません。
いちばん大事なのは、様子を見ること
夏の記事と同じ結論になりますが、グッズより大事なのはその子を見ることです。
散歩に出たがらない。歩き出してもすぐ止まる。日向から動かない。丸まって寝ている時間が長い。どれも寒いときのサインです。震えるかどうかだけを見ていると、うちの子のように震えないタイプは見落とします。
反対に、温めすぎもよくありません。暖房の効いた部屋で服を着せたままにしておくと、今度は熱がこもります。ハアハアと呼吸が速くなっていたら、それは暑いという合図です。冬でも短頭種は短頭種のままだということは、忘れないようにしています。
温かい場所と涼しい場所の両方を用意して、その子が自分で選べるようにしておく。夏も冬も、結局はここに行き着きます。