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フレンチブルドッグを迎えると決まったとき、多くの人がケージやトイレの準備から始めると思います。ただ、実際に暮らしてみて効いてくるのは、グッズよりも部屋そのものの作りでした。床、段差、温度、置いてあるもの。この4つを見直しておくと、あとから困ることがかなり減ります。この記事では、短頭種で体重のあるこの犬種ならではの視点で、部屋づくりの工夫をまとめます。
まず見直したいのは、床
フローリングは犬にとってよく滑ります。フレンチブルドッグは体重のわりに脚が短く、筋肉質でがっしりしているぶん、滑ったときに関節へかかる負担が大きくなります。若いうちは平気に見えても、膝や腰に効いてくるのは何年も先です。
対策としては、犬がよく通る場所にマットを敷くのがいちばん手軽です。全面に敷き詰める必要はなく、ケージから水飲み場、玄関までといった移動の道筋を押さえるだけでも違います。
選ぶときは、洗えるかどうかを基準にしてください。おしっこの失敗、よだれ、吐き戻しは必ずあります。タイル状で1枚ずつ交換できるタイプか、洗濯機に入るサイズが現実的です。毛足が長いものは爪が引っかかるので避けたほうが無難でした。
段差は、思っているより危ない
ソファやベッドからの飛び降りは、この犬種でとくに気をつけたい動きです。着地のときに前脚と背中へ一気に負担がかかります。椎間板の問題を抱えやすい体型でもあるため、日常的に繰り返す動作ほど見直す価値があります。
- ソファにはスロープかステップを置く。上らせない、というルールは守れないことが多いので、上れる前提で安全にするほうが続きます
- 階段には柵を付ける。上るより、下りるときのほうが危険です
- 玄関の上がりかまちにマットを敷く。散歩のあと、勢いよく飛び乗る場所です
ケージをどこに置くかで、夜が変わる
ケージの位置は、あとから動かすと犬が落ち着かなくなるので、最初に決めておきたいところです。判断の基準は3つあります。
ひとつ目はエアコンの風が直接当たらないこと。冷えすぎもよくありませんし、風が当たり続ける場所では休めません。ふたつ目は人の動線から少し外れていること。通るたびに反応していると、犬はいつまでも気を張ったままになります。
3つ目が夜、人の気配が伝わる場所かどうかです。お迎え直後は、完全に隔離された部屋よりも、寝室から声が届く位置のほうが落ち着くことが多いです。夜泣きの時期をどう過ごすかは、部屋のレイアウトとかなり関係しています。
我が家は寝床を1か所に決めず、硬さの違うマットとベッドを並べて置いています。その日の気温や気分で、犬が自分で選んでいます。
ケージの中だけが休む場所という状態にしないほうが、留守番のときも落ち着いているように感じます。
夏を前提にした部屋にする
この犬種は自力で体温を下げるのが苦手です。だから、部屋づくりの段階から夏を想定しておく必要があります。真夏になってから考えるのでは遅い、というのが正直なところです。
- ケージは窓際を避ける。日中の直射日光で、その一角だけ温度が上がります
- 床に近い場所の温度を見る。壁の温度計より、犬がいる高さのほうが暑くなります
- ひんやりするマットと、そうでない場所の両方を用意する。犬が自分で選べる状態が理想です
- 留守番中もエアコンを切らない。電気代より優先度が高い出費だと考えています
停電への備えとして、保冷剤をタオルで巻いたものをすぐ出せるようにしておくと安心です。
床に置いてあるものを、いちど全部見る
この犬種は鼻が短いぶん、口が広く、興味を持ったものをそのまま咥えます。誤飲は動物病院にかかる理由として本当に多いものです。犬の目線の高さまでしゃがんで、部屋を一周してみてください。
- 電源コード。カバーを付けるか、家具の裏へ完全に隠す
- ゴミ箱。蓋つき、できれば犬が開けられない場所へ
- 小さいもの全般。イヤホン、ペットボトルの蓋、靴下、子どものおもちゃ
- 観葉植物。犬にとって毒性のある種類があります
飲み込んだかもしれない、と思ったときは様子を見ずに動物病院へ連絡してください。時間が経つほど、内視鏡で取れずに開腹になる可能性が上がります。
太らせない部屋の作り方
部屋づくりは体型にも関係します。この犬種は太りやすく、しかも毎日見ているとその変化に気づけません。
おやつを人がくつろぐ場所の手の届く範囲に置いておくと、無意識に回数が増えます。棚の中など、ひと手間かかる場所にしまうだけで量は変わります。家族が複数いる場合は、誰が何をあげたか分かるようにしておくと重複を防げます。
反対に、部屋の中で動ける導線は確保しておきたいところです。家具でふさがれて数歩しか歩けない間取りだと、雨の日にまったく動かない日ができてしまいます。
いまの工夫は、シニアになってから効いてくる
滑らない床、段差のない動線、決まった位置にあるケージ。これらは若いうちは「あると安心」という程度ですが、脚が弱ってきたときに意味が変わります。
目が見えにくくなった犬は、家具の配置を覚えたまま生活します。介護が必要になってから部屋を作り替えるのは、犬にとっても人にとっても負担が大きいものです。実家で2頭を見送った経験から言うと、元気なうちに整えた部屋のほうが、最後まで使えます。
我が家で、実際に変えたこと
大きく手を入れたのは、床と、入ってほしくない場所の仕切りです。床については、部屋全体に敷くのではなく、よく歩く廊下と、部屋の中で遊ぶスペースの2か所に絞りました。走って急に方向を変えるのはだいたい遊んでいるときなので、そこと、毎日何度も往復する場所を押さえておけば十分だと考えています。
廊下には、カットできるロールタイプ
廊下のように細長い場所は、既製のサイズが合いません。必要な長さに切って使えるロールタイプにしました。裏が吸着するので、走ってもめくれません。端がめくれていると、そこに爪が引っかかって、かえって危ないです。洗えるタイプを選んだので、粗相や吐き戻しのときはその部分だけ外して洗っています。
遊ぶスペースには、厚手の防水マット
遊ぶスペースに敷いた防水マットです。奥のベッドまでがマットの範囲で、右側からがフローリングになります。
こちらは厚みのあるタイプにしました。走って止まるときや、ベッドから下りたときの衝撃を受け止めてくれます。表面が防水なので、水をこぼしても下まで染みません。手入れは拭くだけで済みます。廊下用のように細かく洗えるわけではないので、使う場所で分けている形です。
入ってほしくない場所は、置くだけの柵で
キッチンなど、入ってほしくない場所には柵を置いています。工事はしていません。床に置くだけのタイプです。しつけで覚えさせようとするより、物理的に入れないようにするほうが早く、こちらが見ていない時間帯も安心でした。
高さは50cmです。立ち上がると顔が出る程度の高さですが、これまで飛び越えたことはありません。助走がつけられない場所に置いているのもあると思います。
高さ50cmの柵。床に置いているだけで、壁には何も付けていません。
奥に見えているのが、廊下に敷いたロールタイプのマットです。
我が家の柵はホームセンターで買ったもので、同じ商品を見つけられませんでした。同じように置くだけで使えて、高さを選べるタイプとして、こちらを挙げておきます。こちらは使ったことがないので、使用感については書けません。
寝床は、決めないことにした
寝床については、決まった一か所にせず、硬さの違うマットとベッドを並べて置いています。犬が自分で選べる状態にしておくと、こちらが用意した場所を無理に使わせずに済みます。季節によって選ぶ場所が変わるので、見ていると面白いです。
完璧な部屋でなくていい
ここまで挙げたことを全部やる必要はありません。賃貸で工事ができない家もありますし、家族の生活もあります。うちも完璧ではありません。
優先順位をつけるなら、床と温度の2つです。この2つは犬の体に直接影響しますし、あとから直すのが面倒な部分でもあります。残りは、暮らしながら気になったところを足していけば十分だと思います。