私は愛犬をお迎えしたとき、ペットショップで勧められた保険にその場で加入しました。比較も検討もしていません。「とりあえず入っておこう」でした。
結果的には入っておいてよかったのですが、今あらためて調べてみると——フレンチブルドッグには、他の犬種にはない落とし穴がありました。
知らずに加入していたら、いざというときに補償されなかったかもしれません。今回は、その話を中心に書きます。
結論:加入は「動物病院に行く前」が鉄則です
先に、この記事で一番お伝えしたいことを書きます。
フレンチブルドッグの保険加入は、初めて動物病院で診てもらう前に済ませておくのが安全です。
理由は、記事の後半で詳しく説明します。まずは基本から。
ペット保険で比較すべき5つのポイント
1. 補償範囲
大きく2種類あります。
- 通院・入院・手術すべてを補償するタイプ
- 手術・入院に特化したタイプ(保険料は安め)
後者は「通院は自費でいいから、高額になる手術に備えたい」という考え方です。
2. 補償割合
治療費のうち、保険でカバーされる割合です。50%と70%の2つが用意されていることが多く、一部では90%や100%のプランもあります。
最も選ばれているのは70%とされています。保険料と補償のバランスが取りやすいためです。
3. 免責金額
意外と見落としがちなポイントです。補償割合とは別に、5,000円・7,000円といった「必ず自己負担する額」が設定されている商品があります。
通院1回が数千円の場合、免責金額があると実質的に保険金が出ないことになります。免責なしの商品を選ぶ方が分かりやすいです。
4. 支払限度
3種類の制限があります。
- 年間の限度額(例:年間100万円まで)
- 1回あたりの限度額(例:通院1日◯円まで)
- 回数・日数の制限(例:通院は年間20日まで)
回数制限がない商品もあります。うちの子のように同じ症状で何度も通院する場合、回数制限の有無は効いてきます。
5. 精算方法
病院で全額払って後日請求するのが一般的ですが、提携病院なら窓口で差し引いて精算できる商品もあります。
立て替えが不要になるので、通院が多い場合はありがたい仕組みです。ただし対応病院が限られるので、かかりつけの病院が対応しているかを確認してください。
ここからが本題:フレンチブルドッグ特有の落とし穴
ここが、この記事で一番伝えたい部分です。
先天性疾患は、原則として補償対象外
ペット保険には「免責事由」があり、先天性疾患は通常、補償対象になりません。
ここまでは、どの犬種にも共通する話です。問題は次です。
短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)は、構造的な問題です
フレンチブルドッグの呼吸トラブルの代表である短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)は、外鼻孔狭窄(がいびこうきょうさく/鼻の穴が狭い)、軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)、気管低形成(きかんていけいせい)といった、体の構造そのものに起因します。
治療は主に外科手術です。狭くなった鼻孔を広げる外鼻孔拡張術(がいびこうかくちょうじゅつ)、長すぎる軟口蓋を切除する軟口蓋切除術(なんこうがいせつじょじゅつ)などが行われます。
つまり、この犬種で最も可能性が高い手術が、先天性疾患として扱われうるということです。
決定的なのは「いつ発見されたか」
ある保険会社の説明では、こうなっています。
補償開始前に先天性異常が発見された場合は、補償の対象外。ただし、補償開始後に獣医師によって初めて発見された場合は補償される。
ここを読んだとき、正直ゾッとしました。
というのも、うちの子は子犬のときの最初の検診で、獣医師から「鼻の穴が小さい」と言われているからです。
「大きくなるにつれて呼吸がしづらくなるかもしれません。手術をする子も少なくないので、様子を見ましょう」——そう説明を受けました。
もし私が、この検診のあとに保険を検討していたら。すでに指摘されている状態として、補償の対象外になっていた可能性があります。
結果的にはペットショップで勧められるまま、お迎えのタイミングで加入していました。比較もしなかったのに、この一点だけは運が良かったということになります。
だから、順番が大事です
フレンチブルドッグを迎えるなら、保険の検討はお迎え前に済ませて、加入手続きを最優先で行うのがおすすめです。
「病院で健康診断を受けてから、じっくり保険を選ぼう」——これは他の犬種なら合理的ですが、この犬種では逆効果になりかねません。
なお、扱いは保険会社によって異なります。気になる商品があれば、加入前に「短頭種の気道の手術は補償対象か」を直接問い合わせてください。これが一番確実です。
補償割合は50%と70%、どちらを選ぶか
保険料の差は、決して小さくありません。
ある比較サイトの試算では、0歳から15歳まで加入した場合、50%と70%の保険料の総額差は約25万円(トイ・プードルの例)とされています。
一方で、治療費が10万円かかった場合、50%なら5万円、70%なら7万円が補償されます。差額は2万円です。
つまり、こういう考え方になります。
- 50%……保険料を抑え、いざというときの負担はある程度受け入れる
- 70%……保険料は上がるが、高額治療のときの安心感が大きい
我が家は70%を選んでいます(最初の1か月のみ100%)。結石で通院が続いているので、この選択は自分たちには合っていたと感じています。
「保険料の上がり方」も比較対象です
ここは、あまり語られない視点かもしれません。
私が加入している保険の場合、月額はこう推移します。
| 年齢 | 月額保険料 |
|---|---|
| 1〜2歳 | 4,990円 |
| 5歳 | 7,200円 |
| 8歳 | 9,980円 |
| 12歳〜終身 | 15,650円 |
一般的にペット保険の保険料は1歳ごとに上がりますが、3歳ごとに上がる商品や、12歳以降は上がらない商品も存在します。
10年以上加入し続けることを考えると、今の保険料より、上がり方の方が総額への影響は大きいかもしれません。見積もりを取るときは、必ず高齢時の金額まで確認してください。
実際に使ってみて分かったこと
うちの子は1歳半でストルバイト結石になり、それ以来、血尿が出るたびに通院しています。
1回あたりの支払いは約1,500円(3割負担)。回数が積み重なるので、この金額で済んでいるのは大きいです。
実感として効いているのは、金額そのものより「受診をためらわなくて済む」ことかもしれません。「これくらいで病院に行くのは大げさかな」と迷わずに済みます。
解約を考えるときの注意
実家では、大きな病気がなかったことを理由に保険を解約し、その後に手術が続きました。
知っておいてほしいのは、いったん解約すると再加入は「新規」扱いになるということです。新規加入には年齢の上限があり、既往症があると加入できないこともあります。
チェックリスト
| 確認項目 | ポイント |
|---|---|
| 短頭種の気道手術は補償されるか | 最重要。加入前に直接問い合わせる |
| 加入のタイミング | 初めての受診より前に |
| 補償範囲 | 通院も含むか、手術・入院のみか |
| 補償割合 | 50%/70%/それ以上 |
| 免責金額 | なしの方が分かりやすい |
| 回数・日数制限 | 通院が多くなりそうなら要確認 |
| 保険料の上がり方 | 12歳時点の金額まで見る |
| 窓口精算 | かかりつけ病院が対応しているか |
| 椎間板ヘルニア・パテラ・歯科 | 対象外の商品もある |
まとめ
私は比較せずに加入して、たまたま助かりました。でも同じことを人におすすめはできません。
特にフレンチブルドッグの場合、「いつ加入するか」が「どこに加入するか」と同じくらい重要です。お迎えが決まったら、その時点で保険の検討を始めてください。
そして、必ず約款や重要事項説明書で、短頭種特有の疾患の扱いを確認してください。分からなければ、電話で聞くのが一番早いです。