ペット保険を解約して後悔した話|フレンチブルドッグ2頭の記録

「毎月4,000円。3年払ったけど、大きな病気もケガもしなかった。もういいかな」——実家がペット保険を解約したのは、そんな理由でした。

その判断は、間違っていたのでしょうか。

結論から書くと、解約したあとに手術が続きました。そして家族は「あのとき解約しなければ」と、今も言っています。

今回は、実家で飼っていたフレンチブルドッグ2頭の話を書きます。私自身の子ではありませんが、2頭とも最期まで見届けた記録です。これから保険を検討する方の判断材料になればと思います。


登場する2頭について

この記事には、2頭のフレンチブルドッグが出てきます。

  • 母犬(パイド/メス)……ペットショップからお迎えした子。15歳3か月で旅立ちました
  • 娘犬(ブリンドル/メス)……母犬の子で、我が家に残った1頭。12歳9か月で旅立ちました
この記事に出てくる出来事は、いずれも15年から20年ほど前のことです。当時の記録が残っておらず、家族の記憶も曖昧なため、費用については分かる範囲でしか書いていません。金額が「—」となっている項目は、思い出せなかったものです。金額の正確さより、「何が起きたか」の記録としてお読みいただければと思います。

母犬の場合:3年で解約しました

母犬はお迎えのときに保険に加入しました。月額はおよそ4,000円。保険会社の名前は、正直なところ家族も覚えていません。

そして約3年で解約しました。理由は単純です。

大きな病気もケガもしなかったから。

毎月4,000円、3年で約14万円。それだけ払って、使ったのは出産のときの帝王切開くらい(これは保険適用でした)。「元が取れていない」と感じたのだと思います。

気持ちは、とてもよく分かります。

解約してから、起きたこと

ところが、そこから手術が続きました。

時期できごと費用
解約後脇腹の内部に腫瘍ができて摘出手術手術・病理検査で約10万円
解約後後ろ脚に大きなイボができて摘出手術—
14歳半老衰で食べられなくなり、胃ろう手術—

腫瘍の摘出だけで、解約によって浮いた保険料の2年分以上が消えた計算になります。


娘犬の場合:もっと後悔しています

娘犬も2年ほど保険に入っていましたが、母犬と同じタイミングで解約しました。

ところがこの子は、母犬よりずっとケガや病気が多い子でした。

  • 鼠径部に腫瘍ができて摘出手術
  • 片目の異変で受診し、手術が必要に(治るまで上下のまぶたを縫い合わせていました)
  • 散歩で引っ張る力が強く、肉球が傷ついて腫れ上がり通院
  • てんかん発作に関連して脊髄の検査
  • 最終的に四肢麻痺となり、介護生活へ

家族は「この子の保険は、解約するべきじゃなかった」とはっきり言っています。

同じ日に、同じ理由で、2頭とも解約した。でも、その後の10年は2頭でまったく違いました。


なぜ「解約」を選んでしまうのか

ここからは、私が調べたり考えたりしたことです。

実家の判断を責める気にはなれません。むしろ、解約したくなる構造があると思っています。

理由1:健康なほど「損している」と感じてしまう

保険は、使わなかった年に価値があります。でも実感としては「払っただけ」に見えてしまう。

健康であればあるほど解約したくなる——これは保険という商品の宿命かもしれません。

理由2:保険料は年齢とともに上がっていく

ここが大きいと思います。

私が今の子で加入している保険(補償割合70%)の場合、月額保険料はこうなっています。

年齢月額保険料
1〜2歳4,990円
5歳7,200円
8歳9,980円
12歳〜終身15,650円

1〜2歳の3倍以上です。

つまり、まだ元気な時期に「高くなってきたし、使ってないし」と感じるタイミングが必ず訪れます。そして病気が増えるのは、その少し先なんです。

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解約する前に、知っておくべきだったこと

そして今回、調べていて一番ゾッとしたことを書きます。

ペット保険には、新規加入に年齢の上限があります。会社によって異なりますが、「保険の開始時点で満7歳まで」といった条件が設けられているのが一般的です。継続については年齢制限がないことが多いのですが、いったん解約すると「新規加入」の扱いになります。

さらに、加入時には健康状態の告知が必要です。再発性が高い病気や完治が難しい病気にかかったことがあると、新規加入は難しくなります。加入できたとしても、その病気は補償対象外という条件がつくこともあります。

つまり——

「解約する」という判断は、「もう二度と同じ条件では入れないかもしれない」という判断でもある。

実家が解約したとき、この認識はまったくありませんでした。「必要になったらまた入ればいい」と思っていたそうです。

高齢でも入れる保険は存在しますが、保険料が割高だったり、補償内容が制限されていたりします。選択肢が減るということですね。


では、入り続けるべきなのか

ここは正直に書きます。「絶対に入り続けるべき」とは言い切れません。

12歳で月15,650円、年間で約19万円。これを払い続けられるかどうかは、それぞれの家庭の事情があります。

そのお金を保険料として払うのか、自分で貯めて医療費に備えるのか。どちらが正解ということはないと思います。

ただ、判断するときに知っておいてほしいのは次の3点です。

知っておきたいこと意味
病気が増えるのは、保険料が高くなる時期と重なる「高いから解約」と感じるタイミングは、必要性が上がるタイミングでもある
解約後の再加入には、年齢と既往症の壁があるいつでも戻れるわけではない
同じ犬種でも、病気の多さは個体差が大きい実家の2頭がまさにそうだった

もし解約を検討するなら、「この先の医療費を自力で払えるか」を具体的な金額でシミュレーションしてからにしてください。腫瘍の摘出と病理検査で10万円、という数字が一つの目安になると思います。


私は、今の子の保険を続けています

最後に、我が家の話を。

うちの子は1歳半でストルバイト結石になり、それ以来、血尿が出るたびに通院しています。1回あたりの支払いは約1,500円(3割負担)。この金額で済んでいるのは、保険に入っているからです。

正直に言うと、お迎えのときは保険についてほとんど調べていませんでした。ペットショップで勧められて、その場で「とりあえず入っておこう」と決めただけです。

結果的には、入っておいてよかった。でもそれは、たまたま運が良かっただけだと思っています。

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これからお迎えを考えている方には、「その場で決めない」ことをおすすめします。お迎えまでに何社か比較して、10年後・12年後の保険料まで見たうえで選んでください。

実家の2頭が教えてくれたのは、「健康だったから解約する」という判断の危うさでした。

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