フレンチブルドッグのしつけについて調べると、方法を教えてくれる記事はたくさん見つかります。けれど飼い主が本当に迷うのは、方法そのものより「これはいつまで自分で頑張るべきなのか」という部分ではないでしょうか。この記事では、家庭で続けられる範囲と、プロに頼んだほうがいい場面の線引きを整理します。あわせて、頼むときの選択肢が4つあることと、預ける前に確認しておきたいことをまとめました。
フレンチブルドッグのしつけがつまずきやすい理由
この犬種は、覚えが悪いわけではありません。おやつへの反応はいいですし、名前を呼べばきちんと振り向きます。ただ、集中が続く時間が短く、気が乗らないときは本当に動きません。頑固と言われるのは、このあたりが理由だと思います。
もうひとつ大きいのが体の事情です。興奮するとすぐに呼吸が荒くなるため、長い時間の反復練習が向いていません。屋外での練習も、気温が上がる時間帯は避ける必要があります。他の犬種と同じ感覚で「毎日30分きっちり」と決めると、犬のほうが先に苦しくなってしまいます。
うちでは1回5分程度を1日に何度か、という形に落ち着きました。短く終わらせて、まだやりたそうなくらいでやめるほうが続きます。
うちが困ったのは、トイレと夜泣きだった
我が家でしつけらしいしつけに悩んだのは、お迎え直後のトイレと夜泣きでした。どちらも家庭の中で完結する困りごとで、時間をかけて落ち着いていったタイプです。そのときに何をしたかは別の記事に書いたので、ここでは繰り返しません。
結果としてプロには頼みませんでしたが、それは「頼まなくても大丈夫だった」ということではなく、困りごとの種類がたまたま家庭で対応できる範囲だった、というだけだと思っています。
「ここからはプロ」と考えたい5つの場面
調べていくうちに分かってきたのは、自力で続けないほうがいい状況がはっきりある、ということでした。次のような場合です。
- 噛む力が明らかに強くなってきた。甘噛みの延長ではなく、唸りながら歯を当ててくる場合。人が怪我をする段階に入る前に相談したい
- 家族で対応がばらばらになっている。ひとりが叱り、ひとりが許していると、犬は何が正解なのかを学べない
- 散歩中に他の犬や自転車へ強く反応する。体重のわりに力の強い犬種なので、転倒や飛び出しにつながりやすい
- 飼い主が眠れていない、犬が怖いと感じている。人の側が限界に近いときは、方法を探すより先に手を借りたほうが早い
- 同じ対応を2〜3か月続けて、まったく変化がない。やり方が犬に合っていない可能性がある
共通しているのは、犬の問題というより「家庭の中で解決の見通しが立たなくなっている」状態だという点です。困り果ててから慌てて探すより、早い段階で相談したほうが、選べる先も方法も多く残っています。
頼み方は大きく4つある
ひとくちにトレーニングと言っても、形式がいくつかあります。どれを選ぶかで、費用も拘束時間も、犬にかかる負担も変わります。
| 形式 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| パピー教室 | 子犬向けの短期クラス。動物病院やペットショップが開催していることが多い | お迎え直後。他の犬や人に慣らしておきたい |
| グループレッスン | 複数の飼い主と一緒に通う。基本のコマンドが中心 | 他の犬がいる環境で落ち着けるようにしたい |
| 出張トレーニング | トレーナーが自宅に来る。実際の生活環境を見てもらえる | トイレ・要求吠えなど、家の中で起きている困りごと |
| 全寮制(預託訓練) | 数週間から数か月預けて、集中的に訓練する | 噛みつきなど、家庭では対応しきれなくなった場合 |
家の中で起きている困りごとであれば、まず出張トレーニングで相談するほうが現実的だと思います。トイレの失敗などは、犬ではなく間取りやトレーの位置が原因になっていることがあり、それは家に来てもらわないと分かりません。
費用は地域や内容によって大きく違います。同じ「全寮制1か月」でも、含まれる内容と帰宅後のフォローの有無で意味が変わるため、金額だけで比較しないほうがいいと思います。
預けるなら、確認しておきたいこと
全寮制は、犬が家を離れます。トリミングサロンを選び直したときと同じで、預けている間に何が起きているか見えないことが不安の中心になります。次の点は、契約の前に聞いておきたいところです。
- 預けている間の報告があるか。写真や動画付きで、どのくらいの頻度で届くのか
- 見学ができるか。訓練の様子と、犬が寝起きする場所の両方を見せてもらえるか
- 短頭種を預かった経験があるか。空調の管理、運動量の加減、食べ方への配慮まで具体的に説明できるか
- 何を教えて、何は教えないのか。目標が曖昧なまま預けると、帰ってきてから家庭で再現できない
- 帰宅後の引き継ぎがあるか。訓練は飼い主側が続けられて初めて定着する
短頭種を預けるときに、もうひとつ気にしたいこと
訓練の内容そのものより先に、体のことを確認しておきたい犬種でもあります。興奮した状態が続くと呼吸が上がりますし、夏場の移動や屋外訓練は熱中症のリスクが上がります。
見学のときに、犬が息を切らしていないか、休憩がどのくらいの頻度で入っているかを見ておくと、その施設が短頭種をどう扱うかが分かります。「うちは短頭種も慣れています」という言葉より、実際の休ませ方のほうが確かです。
頼るかどうかも含めて、正解はひとつではない
この記事は「プロに頼むべきだ」とも「頼まなくても大丈夫」とも言うつもりはありません。うちは困りごとがトイレと夜泣きで、家庭で対応できる範囲に収まっていた、というだけです。噛みつきや強い興奮に悩んでいる家庭が、同じように耐える必要はまったくありません。
しつけは、犬の性格と家庭の事情の掛け算で決まります。どこまで自分でやって、どこから人に頼むのか。その線は家庭ごとに違っていいのだと思います。