「関東でフレンチブルドッグのブリーダーを探そう」と検索サイトを開くと、まず数の多さに驚きます。大手ブリーダー検索サイト「ブリーダーナビ」では、関東エリアのフレンチブルドッグのブリーダーが160人以上登録されています(2026年8月時点)。
選択肢が多いのはありがたいことですが、正直なところ多すぎて選べないというのが本音ではないでしょうか。私も最初、リストをスクロールしながら「これ、どうやって絞ればいいんだろう」と手が止まりました。
なお、この数字はあくまでそのサイトに登録しているブリーダーの数です。現在販売中の子犬がいない犬舎も件数に含まれており、また他の犬種も扱う多犬種ブリーダーも混在しています。逆に、検索サイトに登録せず自身の公式サイトのみで活動している犬舎もあるため、実際の数はこれより多いとも少ないとも言えません。
今回は、関東でブリーダーを探すときの手順と、見落としがちな注意点を整理してみます。
関東でブリーダーを探す3つの方法
1. ブリーダー検索サイトを使う
最も一般的なのがこれです。「みんなのブリーダー」「ブリーダーナビ」といった大手サイトでは、犬種とエリアを指定して絞り込めます。
メリットは、子犬の写真・価格・毛色・性別が一覧で比較できること。口コミが掲載されているサイトもあります。まずはここから始めるのが効率的です。
2. 犬舎の公式サイトを直接探す
「フレンチブルドッグ ブリーダー 埼玉」のように、県名で検索する方法です。
検索サイトに登録していない犬舎も見つかりますし、公式サイトの方が繁殖方針や親犬の情報が詳しく書かれていることが多いです。気になる犬舎が見つかったら、必ず公式サイトも確認してみてください。
3. SNSで探す
InstagramなどでブリーダーがSNSを運用しているケースも増えています。日々の様子が投稿されているので、犬たちがどう暮らしているかの雰囲気が伝わりやすいのが利点です。
ただし、SNSの投稿だけで判断するのは危険です。あくまで最初の入り口として使い、実際の判断は見学時に行いましょう。
落とし穴:「関東」は、思っているより広い
ここが今回、一番お伝えしたいポイントです。
検索サイトで「関東」を選ぶと、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の1都6県が対象になります。
都内在住の方が「関東なら通えるでしょ」と思って絞り込むと、リストには片道2時間以上かかる犬舎も普通に含まれています。茨城県北部や群馬県西部などは、都心からだとかなりの距離です。
そして、見学は「行かないといけない」
別の記事でも書きましたが、動物愛護管理法では、購入者に対して動物の現物確認と対面説明を行うことが義務付けられており、2019年の法改正により、これはブリーダーの事業所で行うことが義務化されました。
つまり、購入者は必ずブリーダーの事業所まで足を運ぶ必要があるということです。「遠いから写真とビデオ通話で決めます」というわけにはいきません。
しかも、1回で終わらないことがある
さらに考慮したいのが、子犬の日齢です。販売できるのは生後57日齢以上と決まっているため、それより早い時期に見学した場合は、お迎えのタイミングで再度訪問することになります。
つまり、往復2時間の犬舎を選ぶと、合計8時間の移動が必要になる可能性があるわけですね。
だから「エリア」ではなく「通える範囲か」で考える
おすすめしたいのは、「関東」でざっくり絞るのではなく、自分が現実的に通える範囲で考えることです。
具体的には、こんな観点で見てみてください。
- 車が使えるか(郊外の犬舎は最寄り駅から遠いことが多い)
- 電車の場合、駅から犬舎までの移動手段はあるか
- お迎え当日、子犬を連れて帰る移動時間に耐えられるか
- 2回以上訪問することになっても大丈夫か
「近さ」には、お迎え後の価値もある
もう一つ、意外と見落とされがちな視点があります。
ブリーダーからお迎えすると、お迎え後もブリーダーさんの元を訪ねたり、兄弟姉妹の飼い主さんと交流できたりすることがあります。いわゆる「里帰り」ですね。
実際、犬舎のサイトを見ていると「巣立った子たちの成長を見られるのが幸せ」と書いているブリーダーさんもいます。こうした関係を大切にしたいなら、通いやすい距離であることには長期的な価値があると言えます。
私自身、次にお迎えするときはこの点を重視したいと思っています。
「フレンチブルドッグ専門」かどうかで絞る
実は、検索結果に表示されるブリーダーの中には、フレンチブルドッグ以外の犬種も幅広く扱っているブリーダーが少なからず含まれています。
これは悪いことではありません。多犬種を扱いながら丁寧に繁殖している方もいます。ただ、フレンチブルドッグを迎えるという目的で考えると、「専門」であることには意味があると思います。
なぜ専門性が効いてくるのか
これまでの記事で書いてきた通り、フレンチブルドッグには他犬種と大きく異なる事情があります。
- 自然交配がほぼできず、人工授精が必要
- 8割以上が帝王切開での出産
- 短頭種特有の呼吸器の配慮が必要
- 毛色によって皮膚トラブルのリスクが語られることがある
つまり、この犬種を繁殖するには、専門的な知識と獣医療との連携が欠かせないということです。
また、お迎え後に「呼吸が気になる」「夏の過ごし方は」といった相談をしたいとき、この犬種を何代も見てきたブリーダーの経験値は心強い味方になります。
専門かどうかの見分け方
- 犬舎のサイトで、扱っている犬種が絞られているか
- プロフィールに「フレンチブルドッグ専門」と明記されているか
- 繁殖歴の長さ(この犬種を何年続けているか)
- 短頭種特有の健康面について、サイトや説明で触れているか
検索サイトで一覧を眺めるときは、まずここで絞ってしまうのが効率的です。160人という数字も、専門ブリーダーに限定すればかなり現実的な数になります。
関東の価格相場を知っておく
エリアを絞ったら、次に気になるのが価格です。
大手ブリーダー検索サイトの販売実績データによると、直近3か月のフレンチブルドッグの平均成約価格は約27万円、最高価格は88万円、最低価格は9万円とされています(2026年7月時点)。
| 区分 | 価格 |
|---|---|
| 平均 | 約27万円 |
| 最高 | 88万円 |
| 最低 | 9万円 |
幅がかなり大きいことが分かります。この差が何によって生まれるのかは、こちらの2本で詳しく書いています。
相場を知らずに見学に行くと、提示された金額が高いのか安いのか判断できません。事前にこのくらいの数字を頭に入れておくだけで、冷静に検討できるようになります。
エリアで絞ったあとに、見るべきこと
ここまでで候補が数件に絞れたら、あとは中身の確認です。
関東は選択肢が多いぶん、「近いから」「安いから」だけで決めてしまうと、比較のメリットを活かせません。せっかく候補が多いのですから、以下のような点でしっかり比べたいところです。
- 登録番号が公開されているか
- 見学を受け入れているか
- 親犬に会わせてもらえるか
- 健康診断や遺伝性疾患の検査をしているか
- お迎え後のサポート体制があるか
これらの確認方法については、こちらの記事にチェックリストをまとめています。
まとめ
- 関東にはフレンチブルドッグのブリーダーが160人以上登録されている
- 「関東」は1都6県。都心から2時間以上かかる犬舎も含まれる
- 検索結果には多犬種ブリーダーも含まれるため、「専門」で絞ると現実的な数になる
- 見学は事業所で行うことが法律で義務付けられている
- 日齢によっては複数回の訪問が必要になることも
- エリアではなく「通える範囲か」で考えるのが現実的
- お迎え後の里帰りを考えると、近さには長期的な価値がある
選択肢が多いのは、関東でブリーダーを探す最大のメリットです。そのメリットを活かすためにも、まずは通える範囲で絞り、そのうえで中身を比べる——この順番がおすすめです。
参考にした情報
- みんなのブリーダー「関東のフレンチブルドッグのブリーダーを探す」
- ブリーダーナビ「関東でフレンチブルドッグのブリーダーを探す」
- 環境省「第一種動物取扱業者の規制」