ペットショップとブリーダー、どちらから迎える?

フレンチブルドッグを迎えようと決めたとき、最初にぶつかるのが「どこから迎えるか」という問いです。私自身はペットショップからお迎えしました。その選択に後悔はありませんが、当時は比較して選んだわけではなく、たまたま出会ってその場で決めました。

この記事では、どちらが正解かではなく、今のあなたの状況にどちらが合うのかを整理します。読み終えたときに「自分はこっちだな」と言える状態を目指します。


そもそも何が違うのか

違いは一言でいえば、子犬とあなたのあいだに誰が入るかです。

ペットショップは、繁殖したブリーダーからオークションや流通業者を経て子犬を仕入れ、店頭で販売します。ブリーダーから直接迎える場合は、その子を生ませた人が、そのまま売り手になります。

ここから、これから見ていく違いのほとんどが生まれます。仕組みの説明はこれで十分なので、次に進みます。


判断の5つの軸

どちらを選ぶかは、次の5点をどう重み付けするかで決まります。

軸ペットショップブリーダー
出会うまでの時間その場で会える。即日決められる出産・成長を待つことがある
事前に分かること店頭での様子は聞ける。両親犬の情報は購入後の血統書で確認両親犬や繁殖環境を事前に確認できることが多い
費用の考え方流通経費を含む。ワクチンや保険がセットの場合も直接取引。ただし見学の交通費がかかる
迎えたあとの相談先基本的にその場限り相談や交流が続く場合がある
手間買い物のついでに立ち寄れる連絡・予約・訪問が必要

並べてみると、「すぐ会えるか」と「深く知れるか」のトレードオフになっていることが分かります。どちらかが優れているのではなく、何を優先するかの問題です。

費用について、ひとつ補足

「ブリーダーのほうが中間業者がいない分だけ安い」と言われることがありますが、実際にはそう単純ではありません。血統や毛色によって価格は大きく動きますし、遠方のブリーダーなら見学と引き取りで交通費が二重にかかります。逆にペットショップは、ワクチン代や初期の保険が価格に含まれていることもあります。

本体価格だけで比べず、迎えるまでにかかる総額で見てください。


ペットショップが向いている人

  • 実際に会って、抱いてから決めたい 子犬の様子を自分の目で見て、その場で判断できます。相性は会ってみないと分からない、という考え方もあります。
  • 迎える時期を自分で決めたい 出産を待つ必要がないため、生活の準備が整ったタイミングで動けます。
  • 近くにフレンチブルドッグ専門のブリーダーがいない 地域によっては、見学に片道数時間かかることもあります。
  • 店員に日常の様子を聞きたい お店で過ごしている姿を毎日見ている人から話を聞けるのは、ペットショップならではです。

私の場合は、計画的に探していたわけではありませんでした。ホームセンターに立ち寄ったその日に出会って、その場で決めています。タイミングで出会うという迎え方も、確かに存在します。


ブリーダーが向いている人

  • 両親犬を見てから決めたい 成犬になったときの大きさや顔立ち、性格の傾向は、両親を見ると想像しやすくなります。
  • 繁殖環境を自分の目で確かめたい どんな場所で生まれ育ったかを見られるのは、直接迎える場合の大きな利点です。
  • 体型や毛色に希望がある フレンチブルドッグにはアメリカタイプ(ショートボディ)とヨーロッパタイプがあると言われますが、子犬の時点での判断は難しいものです。特定の体型を希望するなら、それを専門に繁殖しているブリーダーを探すほうが確実です。
  • 迎えたあとも相談できる相手がほしい その犬種を長く見てきた人と関係が続くことは、初めて迎える人ほど心強いはずです。兄弟姉妹の飼い主とつながりができる場合もあります。
  • 時間に余裕がある 連絡、見学、待機。どれも時間がかかります。裏を返せば、じっくり選べるということです。

どちらを選んでも、必ず確認したいこと

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。ペットショップかブリーダーかという選択より、相手が適切な事業者かどうかのほうが、結果を大きく左右します。

法律で定められている項目なので、確認しても失礼にはあたりません。むしろ、きちんとした事業者ほど堂々と答えてくれます。

1. 生後56日を経過しているか

動物愛護管理法により、犬猫等販売業者は出生後56日(8週)を経過しない犬猫について、販売・販売のための引渡し・展示が禁止されています。幼いうちに母犬や兄弟から引き離すと、成長後の問題行動につながる可能性が高まり、感染症のリスクも上がると報告されているためです。

生年月日と、いつからその店舗にいるのかを聞いてください。日本犬6種にのみ49日の特例がありますが、フレンチブルドッグは対象外なので、56日が基準になります。

2. 第一種動物取扱業の登録があるか

犬を販売するには、都道府県知事等の登録が必要です。事業所ごとに、公衆の見やすい場所へ登録番号を記載した標識を掲示する義務があります。ホームページなどの広告にも、登録情報の記載が義務づけられています。

店頭なら壁を、ブリーダーならサイトのフッターや会社概要を見てください。見当たらない場合は、その時点で候補から外して構いません。

3. 現物確認と対面説明を受けられるか

販売時には、事業所において子犬の状態を直接見せる「現物確認」と、18項目の重要事項を対面で文書を用いて説明する「対面説明」が義務づけられています。

ここは特に注意してほしい点があります。カメラなどの映像による確認は、現物確認として認められていません。 つまり、ネットの写真や動画だけで購入を完結させることはできず、ブリーダーから迎える場合は事業所を訪問する必要があります。「オンラインで完結できます」という案内があれば、それは適法な取引ではありません。

4. マイクロチップの登録証明書を受け取れるか

2022年6月以降、販売業者には子犬へのマイクロチップ装着と情報登録が義務づけられています。迎える側は、取得した日から30日以内に飼い主情報への変更登録を行う義務があります。

手続きには、犬と一緒に渡される「登録証明書」が必要です。受け取りを忘れると変更登録ができないので、引き渡しの場で必ず確認してください。


まとめ:問いを立て直す

「ペットショップとブリーダー、どちらが良いか」という問いには、たぶん答えがありません。

代わりに、こう置き換えてみてください。「今の自分は、どちらの条件を満たせるか」。

待つ時間があるなら、両親犬や環境まで見て選べるブリーダーという選択肢は、検討する価値が大きいと思います。時間や距離の制約があるなら、実際に会って決められるペットショップが現実的です。

そして、どちらを選んだとしても、確認すべきことは同じです。56日、登録番号、対面説明、マイクロチップ。この4つを聞ける相手かどうかが、いちばん大事な判断材料になります。

あわせて読みたい ペットショップとブリーダーの違い|実体験で比較 あわせて読みたい 優良ブリーダーと悪質ブリーダーの見分け方 BUHI MEDIA Instagramでも発信しています @buhi_media サイトの記事を、読みやすい図解にして投稿しています。

参考にした情報

  • 環境省「STOP!生後56日までの犬猫販売!」(動物愛護管理法 第22条の5)
  • 環境省「第一種動物取扱業者の規制」(同法 第18条・第21条の4)
  • 東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業者(販売業)のみなさまへ」
  • 環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」